10/13/2009

民俗学のおすすめ文献

 本頁で捉える民俗学とは、「人々の生きる姿の中から実践的に立ち上がってきた学問」だと思う。
 社会科学の研究領域に散在する「欠片」すくい取り、日本人の本質・原点を追い求めてきた実践の積み重ねは、数多くの蓄積を残し、概念を創出してきた。
 「民俗」への方法論の模索、実践に立ち現れる権威の創出、地域・周辺世界への眼差しが強化するナショナリズムという矛盾…は、民俗学が大きなパラダイムの転換期に差し掛かっていることを示している。
 民俗学という実践に立ち入るために、我々は「民俗」をどこに求めればいいのだろうか、「世界」に対してどのように接していけばいいのだろうか、そして我々はそこから何を学べるのだろうか。
 最近では数多くの民俗学者の仕事があるが、選びきれる訳ではない。そのため初心者向けを記載する。
 それと合わせて柳田國男先生は必ず押さえなければならない。

1・柳田國男 1997『柳田国男全集 第21巻』筑摩書房(海上の道1961) 
2・宮本常一 1971『忘れられた日本人』未來社
3・宮田登 1993『江戸のはやり神』ちくま学芸文庫
4・福田アジオ 1997『番と衆:日本社会の東と西』吉川弘文館
5・梅屋潔、浦野茂、中西裕二 2001『憑依と呪いのエスノグラフィー』岩田書院
6・大月隆寛 1992『民俗学という不幸』青弓社
7・岩竹美加子 1996『民俗学の政治性:アメリカ民俗学一〇〇年目の省察から』未来社
8・菊地暁 2001『柳田国男と民俗学の近代:奥能登のアエノコトの二十世紀』吉川弘文館
9・小松和彦、関一敏編 2002『新しい民俗学へ:野の学問のためのレッスン26』せりか書房
10・上野和夫[ほか]編 1987『民俗調査ハンドブック』吉川弘文館

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