11/28/2012

滋賀県の嘉田由紀子知事

最近話題の滋賀県の嘉田由紀子知事ですが、もともとは環境社会学や文化人類学の専門家です。アフリカ研究などに論文も書いてたりします。
ネットで探せば、経歴や著作は出てきますが、文系学問の専門家が政治を行うとどんなもんなんだろうかとちょっと気になります。
良いか悪いかを判断をするつもりはありませんが、興味はあります。
個人的におすすめの本をいくつかあげます。アフリカ関係はすぐに見つかりませんでしたけど、共著、編著などなど多数ありますので


11/25/2012

Kindleの本格参入

アマゾンで正式にオープンになりました。まだまだ漫画や小説が主流なんでしょうけど、最近では人文系学問もPDFで論文公開というところが多いですけど、そのうち紙媒体からシフトしていくんでしょうか。
実際フィールド調査をするのに、今までは紙(メモ用紙)だったのが、ノートパソコンになり、今ではiPadという人もあると思います。
読みたい本も何冊もカバンに入れずにすみますし、こっちのほうが便利なのかな。
でも本に付箋紙でも貼りながら、ペンでマーキングしていくほうが良いような。
電子書籍でもそんなことはいくらでもできるんでしょうけど、どうなのかなぁ~~

11/09/2012

キリスト既婚説って??

興味深い記事を見つけましたので、下記に貼り付けます。

下記にもありますが、結婚していてもおかしくは無いと思いますが、不思議なのは結婚をしていると歴史が変わる?ということなんでしょうか。歴史は新しい発見があれば、その都度再生産されてきたという印象を持ってますから、別にいいんじゃないかと…
キリスト教徒ではないからこんなのんきなことを言ってられるのでしょうか。

http://mainichi.jp/feature/nationalgeo/archive/2012/09/20/ngeo20120920003.html

2000年前に生きたイエス・キリストは、結婚していたのだろうか。これまで何世紀にもわたって取りざたされながら、有力な証拠を欠いていたこの問題が、新たに注目を集めている。きっかけは、キリストの妻に言及した古いパピルス紙の断片の存在が明らかになったことだ。

  このパピルス紙片は、ハーバード大学の歴史学者カレン・キング(Karen King)氏が、その内容を明らかにした研究成果を発表したことで世界的ニュースとなった。名刺よりも小さなその紙片には、数行の手書きの文書が、キリス ト教のシンボルを使用するコプト語で綴られていた。文書の最後の行には、イエスの発言の引用という形でこう書かれている。「そしてイエスは言った。私の妻 は……」。

 文章は途中で切れており、パピルス紙片はより大きな文書の一部と考えられる。記述が途切れているため、その後にどんなことが書かれていたのか、そして、“妻”とは誰だったのかは謎だ。

 イエス・キリストに近しい伴侶がいたことをにおわせる文書はこれまでにも存在したが、キリストの没後数世紀以内に書かれた文書で、妻の存在を直接言及したものはこれまで見つかっていなかった。

◆紙片の暫定評価は“本物”

 このパピルス紙片の書かれた年代や真贋については依然調査中だ。しかし、初期キリスト教の歴史や文書に詳しい一部専門家による暫定評価は、これが本物であることを示している。現時点では、キリストの死後2~4世紀に書かれたものと推定される。

「2 世紀に書かれたのがもし事実なら、キリストの結婚歴に関する主張は、キリストの死後1世紀以上経って、セクシュアリティや結婚、弟子の問題をめぐるキリス ト教徒間の論争の中で、初めて出てきたことを示す直接的な証拠となる」。キング氏は、プリンストン大学の宗教学教授アンマリー・ライアンダイク (AnneMarie Luijendijk)氏と共同執筆した論文草稿の中で、このように述べている。

 ノースカロライナ大学チャペルヒル校の宗教学者で著述家のバート・アーマン(Bart Ehrman)氏は次のように話す。「もしこれが言われているとおりのものなら、史上初の発見だ。この種のものは確かにこれまで見つかっていなかった」。

  ただし、キリストの妻に言及した文書が見つかったからといって、それがキリストに妻がいた証拠にはならないとアーマン氏は指摘する。「この文書が示してい るのは、2世紀にキリストの支持者が存在し、その人物がキリストには妻がいたと考えていた可能性があるということだ」。今回の発見は、キリストの生涯を説 く主要福音書の執筆と改訂が進められていた時代の初期キリスト教の発達に光を当てるものとなるだろう。

◆紙片の発見は「大きな進歩」

 オタワ大学でコプト語とパピルス学を研究するイッツェ・ダイクストラ(Jitse Dijkstra)氏は、このパピルス紙片の発見を「大きな進歩」と評価する。

 パピルス紙片を発見したハーバード大学のキング氏が「New York Times」紙の取材に対して語ったところによると、この紙片は個人収集家から貸し出されたものであり、理由は不明だが、何らかの事情でこれまで数十年間その存在を伏せられていたのだという。

 このパピルス紙片の前にキリスト教研究者の心をとらえた重要文書といえば、「ユダの福音書」だ。この研究プロジェクトの詳細はナショナル ジオグラフィック誌で特集されている。

  ナショナル ジオグラフィック協会の支援で修復と保存作業が行われたこの長大な文書は、キリストの使徒イスカリオテのユダが、長らく研究者や宗教的指導者たちに考えら れていたような裏切り者ではなく、裏切りとされる行為は、ユダがキリストの指示を受けてとったものだった可能性を示している。

 今回のキング氏によるパピルス紙片の研究成果は、ローマで開催中の国際コプト学会議において9月18日に発表された。

独身だったとされるイエス・キリストに「妻」がいた可能性を示す古文書が見つかったと9月に報じられ、キリスト教界に波紋を広げた。「イエスの結婚」はカ トリック教会のタブーだけにローマ法王庁(バチカン)が反応したのは当然としても、専門家が相次いで疑問を呈し、真偽論争まで巻き起こすに至った。その背 景は何か。【ローマ福島良典】

 問題の古文書を解読し、9月18日にローマで開かれた国際学会で発表したのは米ハーバード大神学大学院の歴史学者、カレン・キング教授。4世紀後半のも のとされるパピルスの断片(縦約4センチ、横約8センチ)には、古代エジプトのコプト語で「イエスが彼ら(弟子たち)に言った。『私の妻は……』」(続き は断裂して不明)、さらに「彼女は私の弟子になれるだろう」との記載があった。

 カトリックの伝統的な見解ではイエスは結婚しなかったとされる。キング教授はパピルスについて「イエスが結婚していたことを証明するものではない」と断りながらも、古文書が書かれた時代の信者の間で「イエスの結婚」が議論されていた証拠--と見る。

 これに対して、バチカンは日刊機関紙オッセルバトーレ・ロマーノを通じて「パピルスは下手な偽造品」(ジョバンニ・マリア・ビアン編集長)と一蹴した。 パピルスは遺跡発掘で見つかったのでなく、骨董(こっとう)品市場で入手されたとされ、そもそも本物ではないという主張だ。「(新約聖書の外典)『トマス による福音書』の写本の切り張りだ」と指摘した英教授や、使われた字体から偽造説を唱える専門家もいる。

 パピルスを本物と仮定した上で、「妻」の解釈に疑問を投げかける意見もある。学会を主宰したローマ大学史学部のアルベルト・カンプラニ教授(51)=キ リスト教・教会史=もその一人。「イエスが『私の女性』と言う場合、自分に付き従い精神的なつながりを持つ人物のこと。パピルスの『妻』も象徴的な意味」 と解釈する。イエスの言動を伝える福音書にイエスの結婚に関する記述はなく「当時、信者の間で話し合われたことはなかった」と結論付ける。

 現代欧州の信者はどう思っているのか。ローマ中心部にあるサンタ・マリア・マッダレーナ教会。日曜礼拝を終えたイタリア人の元薬剤師、チンティ・ビートさん(65)は「イエス妻帯説はキリスト教世界にとってショック。でも、信じてはいない」と語った。

 バチカンのサンピエトロ広場。ドイツから家族で巡礼に訪れた女子高生のハンナ・グレゴールさん(17)は「当時、男性は結婚するのが普通だったから、あり得るかも。でも、妻がいたかどうかは私の信仰には関係がない」といたって冷静だ。

 イエス妻帯説は、なぜか米国発が目立つ。米国人のキング教授の「発見」を大々的に報じたのは米紙ニューヨーク・タイムズ。イエスが「マグダラのマリア」 と結婚していたという設定の推理小説「ダ・ヴィンチ・コード」を著したのも米国人作家のダン・ブラウン氏だ。カンプラニ教授は、女性の地位に敏感な米国キ リスト教会の事情が反映していると見る。「(教会における女性の地位の観点から)イエスと女性の関係は米国のキリスト教徒にとって最大の関心事」だから だ。

 カトリック教会にとって女性の地位向上は課題だ。バチカンで10月に開かれた司教会議でベルギーのアンドレ・レオナール大司教は「信徒の3分の2を占め る女性の多くが『差別されている』と感じている」と指摘し「女性が幸福と感じ、(教会で)認知されなければ新たな福音はない」と警鐘を鳴らした。

 女性の権利保護への取り組み強化や司祭の独身制の見直しなど改革を迫られるバチカン。「イエスの妻」論争が浮き彫りにしたのは、現在のカトリック教会が抱える苦悩なのかもしれない。